七笑橋 補修工事
舗装も終わり区画線も引き終わりました。
区画線は新しい道に誘導されてしまうので、分岐の部分は黒いテープを貼ってあります。
いよいよ 8月1日 迂回路が開通します。
カーブもきつく狭く感じられると思います。
十分スピードを抑えて通行して下さい。
ご安全に‼
2月以降の様子
橋台工の施工が完了したので、七笑橋を迂回する道路を作っています。
完成後には町道となりますが、迂回路となると大型車両もたくさん通るため、国道と同じように作ります。
1個6.5tもある4mのL型擁壁を据え付けて道路を作ります。一番下から30cmの厚さで土砂を締め固めて徐々に上がってきます。
町道橋に桁が掛かり、右岸と左岸がつながりました。
上流側にも桁が掛かりました。このクレーンは40mまで届きます。
上流の仮橋も完成し、これから前後の取付道路の舗装や、排水関係などの細かい仕事に入っていきます。
仮設道路ではありますが1年以上の間大型車などが多く通行するため、しっかりとした道路を作る必要があります。
今まで土砂だったところは、1m以上掘り下げて道路に適した土砂に入換をし、その上に砕石を敷き均ししっかり締め固めてアスファルト舗装の下地を作ります。
1・2月の現場
組み立てた鉄筋を囲むように鉄製の型枠を組み立てて、コンクリートを打設していきます。約1.5~2.0m毎にこの作業を繰り返します。
冬はコンクリートが凍ってしまうので、暖めています。
シートで囲われた中はこんな感じです。ビルの吹き抜けのようです。良いコンクリートを育てために、温度・湿度に注意して快適な環境です。
今回の橋台は南側が4回、北側が5回コンクリートを打設しました。全部のコンクリートの量は北側・南側 合わせて467m3です。大型の生コン車は4m3積むことが出来るので、約117台分のコンクリートで出来ています。
ようやく橋台工が完成しました。
これから昭和コンクリートさんによる上部工の施工になります。
11・12月の現場
掘り下げて底まであと少しというところで、大きな石がゴロゴロ出ました。見事にくりぬいてH鋼がささっています。
日義側では殆ど石が出ませんでしたが、福島側は石だらけです。現在でもそうですが、昔も川の流れが福島側に向かってたことがわかります。
放って置くことは出来ません。橋台を作るためには割らなければなりません。
ダイナマイトを使えれば早いのですが、国道のそばなのでひたすら人力で割ります。穴を開けて ”セリ矢” という道具を使って割ります。
掘り出された石は大きいだけでなく、風化していないため亀裂などの ”目” が無くて、さらに硬い花崗岩という事もあり思うように割れません。
”静的破砕剤” という薬品を詰めて2~3日待つという方法も試しましたが、最後にはやはり人間の力でした。
やっと邪魔な石を取り除くことが出来ました。壁には矢板の間に石の壁が見られます。
掘り上がった基礎面が橋台のコンクリートの重みに耐えることが出来るか ”平板載荷試験” という試験をして確認します。
仕上がった基礎面に ”均しコンクリート” を打設します。こうすることで最下面が水平で平坦になり、この上に組み立てる鉄筋・型枠が精度高く
なることで、これから作る橋台が正確に仕上がります。
鉄筋を組む専門の職人さんが段取りよく組み立てます。鉄筋は複雑に交差するため組み立てる順番があり、熟練した技術が必要になります。
組み立てられた鉄筋の周りに型枠を組み立てます。型枠には木製と鋼製が有りますが、今回は橋台の形状が単純なため鋼製型枠を使用していま
す。
型枠を堅固に組み立てたあと、コンクリートポンプ車によりコンクリートを打設します。
9・10月の現場
先に埋め込んだH鋼に沿って、上から徐々に掘り下げます。掘った部分は厚さ5㎝の板(矢板)をあてて土砂が崩れるのを防ぎます。
H鋼(親杭)をまとめて抑えるH鋼(腹起し)を設置します。
腹起しと腹起しを支えるH鋼(切梁)とコーナーを補強する部材(火打ち)を設置して、親杭が倒れて土砂が崩落するのを防ぎます。
切梁と火打ちには油圧ジャッキがついていて、力をかけて押しています。
七笑橋は1961年に竣工し、1978年に上流側に拡幅されており、60年が経過した老朽橋で、定期的に行われる橋梁点検により補修の必要があるという事になりました。
工事は長くかかるために、上流側に名古屋向きの仮設の橋 、下流側に塩尻向きの永久橋を架けて迂回路を作り、その後本橋の補修をします。上流側の仮設橋は工事完了後撤去しますが、下流側の橋は工事完了後も残して19 号の迂回路とします。
今回の工事では上流側の仮設橋と下流側の橋台を造ります。大きな機械を使っての作業になるため、皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、ご理解・ご協力をお願いします。
皆様には、工事の内容を知って頂くために、今まで行ってきた工事と、今行っている工事をここで説明します。工事に対してのお気づきの点 、内容についてご不明な点等ありましたら、お気軽にお声がけして頂 きたいと思います。
① 上流側の仮設橋
上流側には塩尻方面から名古屋方面に向かう仮橋をかけます。
鉄骨の橋桁の上に鉄板 (覆工板)をかぶせて、舗装をします。川の両岸は、H鋼の杭を埋め込んで、その上にコンクリートを打設して橋台を造ります。橋が長くて橋台から橋台まで1本の桁では届かないため、日義側に鉄管を埋め込んでそれを橋脚として支えにします。
橋脚の鉄管を埋める穴を掘ります。石が多いために、先端が圧縮空気で打撃して石を砕きながら穴を開けるダウンザホールハンマーという機械 を使います。
川の近くのため、掘った穴に地下水が土砂と一緒に流 れ込んで埋 まってしまいます。そこで埋め込む鉄管より一回り大きな鉄管を先に埋めてから橋脚となる鉄管を埋め込みます。
橋台はH鋼を埋めて基礎にします。橋脚と同じように施工しますが、H鋼の周りにコンクリートを流し込んで、その後鉄管を引き抜きます。
橋台の大きさに合わせて後の仕事がしやすいようにコンクリートで均します。
鉄筋・型枠を組み立てて、コンクリートを流し込み、橋台を造ります。上流側の仮設橋は下部工が完了し、上に鉄骨の橋桁を架けると完成 します。 上部工は来年になってからの施工になります。
② 下流側の永久橋橋台の施工 (親杭横矢板工法による土留工)
上流側の仮設橋に比べて永久橋の橋台は高い(深い)構造物になります。
現在の地面から8m以上掘り下げる必要がありますが、そのままだと国道が崩 れてしまいます。
それを防ぐためにH鋼を建込み、その間に板を差し込んで土留をしながら掘り下げます。
下の写真は他の現場ですが、国道の真横でも垂直に掘り下げることが出来ます。
親杭となるH鋼を建て込むのに仮設橋同様穴を掘りますが、仮設橋で使ったダウンザホールハンマーは振動と騒音が大きいため、
今回のように住宅の近くでは使用することが出来 ません。
そこで今回活躍しているのが『ARハンマー』という特殊 な工法です。ドリルの先のハンマー先端が分割かつ順番に打撃することに
より、振動と騒音が抑制されます。
H鋼により構台を組み立て、その上に回転をするロータリーテーブルをセットします。ARハンマーをテーブルに挿入し、回転と圧縮空
気の打撃により掘り下げます。
ドリルを継ぎ足して決められた深さまで掘り下げます。
掘られた穴にH 鋼を建て込みます。地下水位が低い場所ではきれいに穴の壁が残る場合があります。
H鋼は間隔・垂直に注意して建て込みます。
最後に『バイブロハンマー』という機械を使って、高さ・とおりを微調整してから土を埋め戻し固定します。